台風が近づくと「THE DAY」を探すため天気図にくぎ付けになる。
うねりと風の向きに全神経を集中する。
その一瞬しか味わえない波を探し北へ南へ車を走らせる。
あの浮遊感、爽快感と海から上がった時の疲労感。
波に乗るという感覚は何物にも替えることができない。
スポーツを超えてカルチャーと呼ぶにふさわしい。

サーフィンを始めると「海時間」というものが存在することを実感する。
風の向きに敏感になる。自然の変化が気になり始める。人生の価値観が大きく変わる。
毎日が海中心で回り始める。
カルチャーも超越し、生き方といっても過言ではないのではないだろうか。
夜が明ける。
波情報ではわからない現地の状況を肌で感じる。
オフショアがうねりをシェイプし、面ツルのフェイスを作り出している。
カレントをチェックし、エントリーポイントを決める。この瞬間がたまらない。
急ぎ足で車に戻り、サーフボードにワックスアップ。
パワーコードを携えてエントリーポイントへ引き返す。
準備体操もそこそこにドルフィンを繰り返し沖へ。

波待ちも貴重な時間だ。
自分のマニューバラインをイメトレしながら、
沖からのうねりに全神経を集中させる。

納得できるライディングを一本でもメイクできればその日はHAPPY。
一生に一度しかない波を楽しめる幸せを噛みしめて。
波に感謝。自然に感謝。
更なる幸せを求めて海に通う。
